たった一言吐いた毒

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今日から旅に出ています。普段の生活とは違うことをすると、普段考えないことを考えるので、新しい思いつきがあったり、昔のことを思い出すこともあります。

初めてのアメリカ本土訪問時、帰りの飛行機が定刻通りに飛ばず、結局航空会社が用意したホテルに泊まり次の日の便で日本に帰ることになりました。

飛行機が遅れて遅れて、時間はどんどん過ぎるのに空港の案内放送の英語が聞き取れず、グラウンドスタッフは問い合わせは電話センターに電話してくれというし、それで電話すると、いかにも外人らしい英語しか話せないわたしに、オペレータは、忌々しそうに定型文を叫んで一方的に電話を切ってしまうのでした。

自分が給料をもらっているのが国際線を運行する航空会社で、コールセンターのオペレータなのに、電話をかけてきたのが外国人で、自分と同じように英語が話せないから我慢できないという態度は、プロらしからぬものでした。

普通、家族と一緒に住んでいますね。帰ると言った時間に帰らないと心配する人がいるもんです。ヒステリーを起こされてもね、情報を得る必要がある時はあるもんです。

フィリピンに向かう飛行機のチェックインで並んでいる時、お下品でモテなさそうな日本人のおっさんから、「ああいう女はフィリピンの男に狂ってるんだ」と聞こえるように言われたこともあります。

その下品なおっさん、連れのフィリピン人女性とも男女の関係では無さそうでした。男女の関係になるって、お互いを認めて受け入れるわけなので、オーラが一つになるんですけどね、なってませんでした。

モアルボアルからセブへバスで戻る時、中年の男と男の子の二人連れを見たことがあります。男が男の子をかわいがる様子を見て、また男の子のそっけない様子を見て、小説のロリータの同性愛版だと思いました。

その場に居合わせただけで、赤の他人の毒をもらっちゃうことがあるわけですよ。もらっちゃった人は、とりあえず家に帰るわけです。そして、家族は「毒されたあなた」に会うわけです。

だからね、まずは見ず知らずの人に毒を吐かないような考え方をしましょう。

ランダムに毒を吐くような人は、あなたに「嫌な人」だという反応をもらいたいので、無視しましょう。

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