綿のこと

Date

台風18号が東海地方に上陸しました。

今年の夏は雨が多く、日照時間が少なくて家庭菜園を楽しんでいる方は、キュウリもトマトもダメになってしまった人が多かったと聞きました。

わたしたちは初めて畑を借りて、5月に綿を植えました。野菜を植えていたら、意気消沈して畑はあきらめてしまっていたかもしれないと思いました。

7月、8月あたりは雨が降りませんでした。野菜を植える人にとっては厳しい季節だったと思います。

棉を育てている人は水を捲かない人もいるそうですので、その点、わたしはそれほど心配しませんでした。

ただ、すごいスピードで雑草がどんどん生えてきます。

暑さと、山の勾配と、抜いても抜いてもなくならない雑草に、今まで認識していなかった自分の素質や限界に気付かされました。

綿の木は、同じ時期に発芽を促すためにふやかし、同じ時期に畑に植えました。ですが、大きく育つ木、細く育つ木、育ちが遅い木、葉巻虫にやられる木、ばったに食われる木、花をたくさん付けるのに、実にならずに花が落ちてしまう木など、木の数だけ個性がありました。どんな個性の木だって、最後まで見届けたいという気持ちで畑に通っています。ただ、プロが植えたらこうはならないのかもしれません。それはそれで今年はいいことにします。

来月、収穫期です。

そして、また雨が多くなってきました。先週の畑では枝が折れてしまったり、倒れてしまったりしていた綿の木を切ったり抜いたりしました。支柱を立てた木でも、土が緩くなって斜めになっていた木を直したりしてきたばかりです。

棉は本州の冬を越えられません。収穫が終わったらどうせ抜いてしまう運命なのに、綿の実が付かないうちに倒れる木もありました。

今日、台風18号が上陸しました。

家から畑まで遠いので、週末まで様子を見に行かれません。

わたしたちの綿はどうなったのでしょうか。

牧之原の地で、自然に鍛えられた、やわらかでエネルギーの高い緑と茶色の綿を付けてくれるでしょうか。

More
articles

Work, Walk, Law, Low——わたし達の一音

発音の正確さは、通訳・翻訳の「見えない信頼」を支える技術です。AIのパイオニア、Babak Hodjat 氏のもとで働く世界トップクラスのエンジニアたちは、文脈や異なる言語体系(!)で互いを理解しています。わたしたちは通訳。一音の精度を上げ誤解を生まないよう、日々訓練を重ねています。

空のように、私のノートの取り方もかたちを変えていく。それでいいのです。

逐次通訳のためのノートテイキング

逐次通訳では、ノートテイキングが訳出を左右します。 端的に言って手元に文字起こしとか、原稿に近いものがあれば、それを読めば正確に訳出できるのです。一つひとつの言葉、数字、そしてニュアンスを話すスピードに合わせて書き留めるのは、匠の技です。今日は速記と抽象画のあいだのような芸術の話をしようと思います。

優秀な通訳、溝をつないで次のステージへ

優秀な通訳チームはどこにいる?

P社というフィンテック企業で働いていた頃のことを、しばしば思い出します。 数ある通訳の現場の中でも、あの時期が特別だったのは、「優秀なチーム」を全員が作っていたからです。では、どうやって?