自分の変化に気付くこと

Date

わたしは漫画「宇宙戦艦ヤマト」の大ファンです。

放射能で人が住めなくなった地球を救うため、コスモクリーナーを求めてヤマトの乗組員はイスカンダルへ旅立ちます。そしてイスカンダルも年老いた星でガミラスの二重星であり、どちらか一方が死んでしまったら、もう一方もバランスを失っていくのでした。

わたしたちの日常でも、そういう相互関係を複数の人と持っていると思います。親子、夫婦、パートナー、兄弟。職場。イスカンダルとガミラスのように本当は自立していたいのに、実は引力が釣り合っているがゆえに、運命まで共にしなければならないとか、地球と月のように、お互いがお互いの周りをぐるぐる回るような関係。いい時はいいですが、悪い関係ではどうでしょうか。

わたしの場合、ガミラスとイスカンダル、月と地球のように釣り合っていた相手は、母親だったようでした。母を亡くした後、HSKキネシオロジーのプログラムをいくつも習い、アメリカも行き、フィリピンに移住したり日本に戻ってきたり、親孝行できなかった父を探したりもしました。お金も時間も体力も使うこの暴走をやめさせてくれたパートナーと一緒に暮らし始めて、最近二人暮らしに慣れてきたら「あ、今、夢から覚めた」と思ったことがありました。暴走(迷走)のきっかけであった母の死から4年ほどかかりました。

かねてから興味のあった陶芸で、ある先生を「天才だ」、「素晴らしい」と、入れあげていたのでしたが、ある日を境に突然その先生焼き物が、大変へたくそな作品で、ガラクタに見えるようになりました。パートナーや、自身も陶芸家である友人は、初めから「下手なものにずいぶんお金を払っている」と、口にも出していたのでしたが、そのセリフは数年、わたしには聞こえなかったのでした。それが、とうとう聞こえるようになった、というわけです。

せっかく負の関係から解放されたのに、バランスを取り戻すことができないで暴走する、迷走する、居場所を失う、偏った感性で世の中を見てしまう。そういうことってありますね。つらいです。でもそんなことは終わりが来ます。

More
articles

Work, Walk, Law, Low——わたし達の一音

発音の正確さは、通訳・翻訳の「見えない信頼」を支える技術です。AIのパイオニア、Babak Hodjat 氏のもとで働く世界トップクラスのエンジニアたちは、文脈や異なる言語体系(!)で互いを理解しています。わたしたちは通訳。一音の精度を上げ誤解を生まないよう、日々訓練を重ねています。

空のように、私のノートの取り方もかたちを変えていく。それでいいのです。

逐次通訳のためのノートテイキング

逐次通訳では、ノートテイキングが訳出を左右します。 端的に言って手元に文字起こしとか、原稿に近いものがあれば、それを読めば正確に訳出できるのです。一つひとつの言葉、数字、そしてニュアンスを話すスピードに合わせて書き留めるのは、匠の技です。今日は速記と抽象画のあいだのような芸術の話をしようと思います。

優秀な通訳、溝をつないで次のステージへ

優秀な通訳チームはどこにいる?

P社というフィンテック企業で働いていた頃のことを、しばしば思い出します。 数ある通訳の現場の中でも、あの時期が特別だったのは、「優秀なチーム」を全員が作っていたからです。では、どうやって?