質問する力(後編)

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発する言葉には意味があり、魂があると思います。日本には言霊という言葉があり、英語では”the words become flesh”というフレーズがありますので、わたしのこの感覚はユニバーサルなものだと言えると思います。

コミュニケーションには質問力が必要だと思っています(リッチダッド・アドバイザーのブレア・シンガー氏がその著書の中で言っています)。

わたしが初めて香港に行った時、返還の前だったか後だったか忘れましたが、香港で要人が銃殺される事件が続いた頃でした。空港から車で市内へ戻る時にバイクで対向車線から片手で銃を扱ってターゲットの要人に命中させたんだそうです。当時、わたしは平和ボケした国、日本の若者でしたので最初に聞いた時の反応は”it cannot be true(嘘だあ)”でした。それを教えてくれた友人は「本当だって!」と、その事件を詳しく話してくれました。

静岡に来る前はフィリピンにいまして、足の指に血豆ができ、爪が浮いて剥がれそうになっていました。その時に居合わせたドイツ人が「わたしの足もそうなったことがある」と言うので「この後どうなるの?」と聞きました。「爪が剥がれたの。ちょっと泣いちゃった」と言いました。「そんなに痛いの?」と聞きましたら「ううん、あの時泣いたら正しいかなと思ったの」と言う返事でした。

会話が成り立ってはかどるとは、発された言葉にあれやこれや、自分の想像を当てはめて無理やり解釈するのではなく、質問力が高い時ではないでしょうか?

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セブ島でスキューバダイビングショップの店長だったわたし。その時は、のちに日本に帰国することになるとは思いませんでした。さらにキャリア転換をして、英語通訳になるなんて夢にも思っていませんでした。きっかけは、アブサヤフのシパ