通訳は会話だけじゃない

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週末に新静岡セノバのMARUZEN&ジュンク堂書店に行きました。広い敷地内にたくさんの本が並んでいます。わたしの一生をかけても全部読み終わらないほどの本が並んでいます。しかし、わたしが見に行くところはいつも同じところ。英語関連、健康、家庭菜園、イラストや浮世絵のところ。

そしてわたしはそういう本の種類を買わないのです。積んであったり、まだ練習をしていないイラストの本があるからです。

わたしにそういう本を読む時間があったら何をしているかというと、YouTubeビデオでイギリスやアメリカのトークショーやフラッフィのコメディを見ています。様々なアクセント、顔の表情やしぐさ、時事を反映する内容など、新しくて刺激になるし、お客様との場つなぎ的な会話で使えるネタがたくさんあるからです。

さて、足が疲れるほど背表紙を見て、そしてやっと普段見ない棚に移ります。すると、買ってもいいと思えるような、自分の世界を広げるかもしれない本に出合うことがあります。

大人は、いつも見るところを抑えてからではないと自分の世界を広げる準備ができないのでしょうか。まあ、そういうものかもしれません。大人は職業があり、その責任があります。専門家として、自分のエリアでは日進月歩の技術に追いついていくのは、当然ですね。

マーク・トウェインの言葉です。

Find a job you enjoy doing, and you will never have to work a day in your life.

好きな仕事を見つけたら、人生に働かなきゃいけない日がなくなる。

専門家として、お仕事をいただくときに、辛いことがないかと言ったらウソですね。でも楽しみがないと言ったらウソですね。でも好きことが仕事なら、毎日仕事をさせられているのではないですね。

しかし、人はパンのみにて生くるものに非ず。先週の月曜日に書いたことですが、神さまにサインを頂いて通訳をさせていただくことになったので、「わたし」が通訳することによる「わたし」の付加価値を忘れて通訳だけをしては片手落ちなのです。

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