Gratitude Weekend
ドイツ人の元同僚が奥さんと二人でフリーダイビングとヨガのサービスを始めました。それで先週、フィリピンのカミギンにあるディギー(Diggi)のKurma-Freediving and Yogaに行ってきました。
わたしたちが同僚だった20年前、Diggiはスキューバダイビングインストラクターでした。その数年後にテクニカルダイビングインストラクターとなりました。あの時代は、テクニカルダイビングは黎明期で市場もとても小さかったので自分のトレーニングコストもお店の設備投資も営業で回収できるような時代ではなかったのです。「夢に生きる」以外の理由で始める人は誰もいませんでした。そんな彼が2015年にタンクやレギュレータなど水面下で呼吸するための器材を一切使わないフリーダイビングのインストラクターになってしまったのでした。
一方わたし自身も、ライフスタイルに大きな変化があって、テクニカルダイビングを続けることに限界を感じていたところでした。仕事面でも膠着状態にあったわたし。待っていても何も動かないので、あのDiggiが始めたならば、フリーダイビングをやってみようと思いました。彼とは今まで縁が途切れていたお蔭で、行き詰ったと思っていたわたしの人生をフレッシュな切り口で見せてくれました。旧友というのは、会わない間も友達の役目をしてくれるものなのですね。
数年の間に、セブはものすごく発展しました。ほめ言葉では表現できないほどの変わりようです。それでもセブの何かはわたしを故郷に迎えてくれたような気持ちにさせてくれます。人も土地も、うわべは変わったとしても、変わらない何かがあるものですね。
翌朝早朝の飛行機でカミギンに到着すると、そこは20年前のマクタンのように緑にあふれたところでした。フィリピンのあちこちに暮らすダイビングインストラクターの友人達が、せっかく南国フィリピンで、世界屈指のダイビングスポットで仕事をしているのに輝きを失っていく人が多い中で、Diggiは輝いていました。
フリー・ダイビングって息をこらえて潜水するスポーツです。息が吸えないと横隔膜が痙攣するのですが、それでびっくりしないでいれば、さらに息を止めて水中にいることができます。息(行き)詰ったと思ったときでも、絶望しないでいれば、するべき体験ができるのが人生かもしれないですね。やっぱり、ありがとう。