フィリピンでよく見かけるハイビスカスは、背の低い枝の細い株に、たくさんの花が付いたものです。朝に夜に、ダイビング、ハイキングやウォーキング、買い物の行き返り。食事に出かけたレストランやバーで、いつでもハイビスカスを見ます。ハイビスカスにはたくさんの種類があるのです。
毎日、新しい花になるそうですが、毎日咲いている光景を見慣れているためか、個々の花がすべて昨日とは違う花だとは気付きません。
ハイビスカスの花言葉
『常に新しい美・勇ましさ・勇敢・新しい恋・繊細な美・上品な美しさ・華やか』
フィリピンの夏は5月。夏に咲き誇るハイビスカスの赤の美しいことといったらヴィロードのよう。3月にも4月にも咲きますが、日本と比べ太陽の位置が高いため、彩度が強く見えるので赤は本当に真っ赤。5月になると突然、発光するような、深い妖艶な赤に変わります。
一番好きなのはやわらかなごく薄いペールピンクの花。いま大切に育てていますが、日本国内で一般に入手できる品種は、現地の自生種とはちがうそうで、ほとんどが仏桑花(ブッソウゲ)を改良した園芸品種だとか。日本では冬越しができないと聞いていたのですが、挿し木をとって室内で水差しで冬を越し、春に植木鉢に移したところ、四本とも株が根を張りまして、みごとに花が咲いて大感激。要は愛情を込めた管理らしい。
出雲の国から来た烏天狗さんが、これだ、これだと揺らした株から花を摘み、ハイビスカスのフラワーエッセンスを作ったことがあります。もし、突然体調が崩れてしまっても、その日のお役目を果たせるように元気にしてくれます。
フィリピン中にあふれているかのように見えるハイビスカスも、マンゴも、誰かが植えたからそこにあるもの。1999年代に噴火したピナツボ火山の灰の下になったスービック方面に行ったときには、ハイビスカスがほとんどないため、パニックになるほど驚いたものです。食べられる実をつけないハイビスカスは、噴火から今になっても、まだ植える人がとても少ないのでした。フィリピンでハイビスカスが咲く地域とは、それ自体が豊かさの証明でもあった、というわけです。
ビタミンCが豊富でヘルシーなハイビスカス・ティーを夏にいかがでしょうか。