Linguist

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日々翻訳、通訳の仕事をするにあたって心がけていることは、「わたしの成果物は違う言語の同じもの」です。わたしの話す前とわたしの話した後の人で理解が違うことがない様にする、違っても最小限にすることです。わたしの翻訳にわたしの解釈が混ざってしまったら「伝言ゲーム」になってしまいます。そうならなければ、情報発信者と受け手のコミュニケーションはスムーズです。揉めることになっても、スムーズです。

当たり前のことに聞こえます。まるで、銀行の送金担当者が送金を確実に行うと言っている様なものです。でも、できて当たり前のことにも、トラブルがあります。トラブルは、銀行の送金を例にとれば、送金者から着金する先のいろいろなフェーズで起きうるし、起きたら直さないといけません。そこにもし通訳者が介在したら、トラブルや、原因のフェーズによっていろいろな専門性があります。当然ながら「伝言ゲーム」はあってならないものとなります。

わたし自身では英語の仕事で食べていくことになるとは思いませんでした。わたしは自分が旅人で、語り部だと思っていたので、世界に出かけていくため英語を勉強しました。

フィリピンでダイビングショップKontiki Diversで働いていた90 年代、2001 年から銀行で働いた時も、メインの仕事はインストラクターだったり、個人付き秘書であって、カッコ付けで語学が堪能だったのでした。

しかし自分のソウルサーチをしたら、わたしは語学が堪能ではなかったのです。わたしはlinguistでした。そして、同じ理念で、体のサインを通訳してあなたにお伝えします。

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Work, Walk, Law, Low——わたし達の一音

発音の正確さは、通訳・翻訳の「見えない信頼」を支える技術です。AIのパイオニア、Babak Hodjat 氏のもとで働く世界トップクラスのエンジニアたちは、文脈や異なる言語体系(!)で互いを理解しています。わたしたちは通訳。一音の精度を上げ誤解を生まないよう、日々訓練を重ねています。

空のように、私のノートの取り方もかたちを変えていく。それでいいのです。

逐次通訳のためのノートテイキング

逐次通訳では、ノートテイキングが訳出を左右します。 端的に言って手元に文字起こしとか、原稿に近いものがあれば、それを読めば正確に訳出できるのです。一つひとつの言葉、数字、そしてニュアンスを話すスピードに合わせて書き留めるのは、匠の技です。今日は速記と抽象画のあいだのような芸術の話をしようと思います。

優秀な通訳、溝をつないで次のステージへ

優秀な通訳チームはどこにいる?

P社というフィンテック企業で働いていた頃のことを、しばしば思い出します。 数ある通訳の現場の中でも、あの時期が特別だったのは、「優秀なチーム」を全員が作っていたからです。では、どうやって?