英語の通訳は言葉の技か

Date

英語のHobby。日本語としてもホビーで定着していますが、趣味のことです。

数年前、東京観光に訪れたフィリピン人、三名の案内役を頼まれ品川や恵比寿にお連れした事があります。美しい人たちで流暢な英語を話し、それぞれ趣味が広く個性も輝いていました。驚いた事に初対面のわたしにまで、山のようなお土産を持ってきてくれました。

その時の会話です。弟のGさんが「趣味でコーヒーを作った」とアルミ真空パックに入った深煎りコーヒー豆をバニッグというバショウの仲間の葉で編んだバッグに入れたものをくれました。

わたしもコーヒー好きなので、きちんとお礼を述べました。趣味である週末にカルチャーセンターでコーヒーを炒ってパックしたのを、一つわたしにくれたのかと思いました。

次にお姉さんCさんが、エコバッグを「従姉妹(だったかな?)が趣味で作った」と言って一つくれました。「その人はミシンが上手ね」と言ったら「違うわよ、工場を持っているので、エコバッグを趣味で作らせてみたのであって、本人が縫ったんじゃないわ。」

コーヒーも、Gさんが工場で作らせているものだったと、後でわかりました。

それ以前にも薄々気づいていました。こういう事も体験しました。香港のダイブショップで教えていた時、生徒たちは水着を脱いだら、昨夜の飲み会、来月のドラゴンボートの話を始めます。当時は、この人たちはダイビングを真面目に取り組んでいないと思ったりもしました。日本人はダイビングの日は一日中ダイビングの話しかしませんが、どうやら国籍によってはそうではないらしい。そして、どんなにきちんとダイビングを教えられても、わたしに会話の引出しがないと肝心なダイビングの場面で会話が始め難いのです。

ホビーは趣味で正しいのですが、どういう内容で使われているか、共有できるかどうかはわたし次第でした。その後、英語だけでなくコミュニケーション全体で気をつけている事は、これになりました。言葉はツールであって、正しく使う事はもちろんですが、会話を広げて豊かにするのはわたし自身。そしてまたその逆もわたし自身。

More
articles

Lost in Translation: 英語になりにくい日本語表現たち

母国語以外で話をしていると、必ず「うまく置き換わらない表現」に出会います。
英訳しても意味が通じなかったり、文化的な背景を知らないと誤解されてしまったりします。
今日は、そんな日本語をいくつか紹介します。

介護帰国から始まったわたしの通訳ジャーニー

セブ島でスキューバダイビングショップの店長だったわたし。その時は、のちに日本に帰国することになるとは思いませんでした。さらにキャリア転換をして、英語通訳になるなんて夢にも思っていませんでした。きっかけは、アブサヤフのシパ