ふらの話、日用品。無農薬で育てられ手摘みで作られた布良の糸が使用感のとても素晴らしいものだと分かってから、首の周りに巻いたり、お腹の周りに巻いたり、寝るときにネマキに着たり、シーツとブランケットに包まって寝たりという生活をしてきましたが、靴下は手ごろなものが見つからずにいたました。
お風呂でふらのタオルを使っているときに、疲れの溜まりやすい足先をタオルで包むと、とても気持ちいいので靴下が欲しくて欲しくて仕方なかったのです。
シルバー人材センターに編んでくれる人がいるというので人を介して問い合わせてみましたが、そういう方は職業で編んでいるというよりは好きなものを自分のペースで編みたいので「靴下なんて面倒くさいものはやりたくない」と断られました。相手が変わっても大体同じ様な反応でした。
3足1,000円の靴下を履いていた様なわたしには、靴下にそんなに沢山の技が入っているとは、そのときまで気が付きませんでした。
履いたときに下がらない様にする。
履き口のゴムの工夫。
かかとの所が窮屈にならない様に曲がる工夫。
爪先の所が少し詰まる様な、また、穴が開きにくくくなる様な編み方の工夫等。
サイズ的にはこんなに小さなものなのに、沢山の技が凝縮されていたのです。誰も編んでくれないんだったら「ふらの糸は良いものなんだから頼まない、自分でなんとかする」と思ったのが編み物や縫物に再挑戦するきっかけでした。
そこで出会ったのが「ニット工房ライク」さん。就労継続支援B型という、ダウン症等のハンディーのある人に編み物やカレー作りを通じて、仲間と一緒に学んだり働くことを目的とした施設です。
ところが、ここでも靴下の様な難しいものは生涯のある人には少し難しいと言われ、スヌード、アームカバーやレッグウォーマーをいくつか編んでもらったのみとなりました。
しかし、自分が靴下が欲しいと言い始めてから2年近く経って、靴下を編んでくれる契約が出来ました。現在はSサイズとMサイズで始めました。ふらの生糸に添え糸という、ふらの綿以外の糸を使ってもらって値段を抑え、少し色の冒険をしてもらっています。
夏でも涼しく、また冷えがちな指先、冷え性で困っている方には冷えがちな指先を温かく保ってくれます。最初に履いたときの感想は「そのまま眠ってしまいそう」でした。
そのまま眠ってしまいそうという履き心地を多くの人に感じてもらいたいです。