My Only Friend Is The City I Love In

ハワイでスキューバダイビングのインターンシップをしているときに日本から来たお客さんが「レッド・ホット・チリ・ペッパーズ」のカセットテープを持っていました。

その頃はウォークマンの時代でスマフォはありません。わたしの様な旅行者は、テレビの附いた家に暮していても、まだそれほど英語も分からなかったし。だいたいテレビは附いていても、ラジオが附いていない家なので音楽をかけっぱなしにするということもできません。

知っている音楽は自分が日本で聞いていたもので、そのままタイムカプセルに入った様に時が止まってしまいます。そういうときにお客さんが貸してくれたテープがレッド・ホット・チリ・ペッパーズ。慌ててそのときのCDを買いました。

そのCDは“Blood Sugar Sex Magik”(1991年 )。このアルバムからはいくつかヒット曲が出ましたが、その中でもわたしにとって特別な意味がある曲が“Under the Bridge”です。

ダイビングのお休みの日に、アメリカ人のダイブマスターに連れて行ってもらって、あの日はおそらくブルーホールでダイビングをした日だったと思います。その帰りの夕方。ハワイカイのショッピングセンターでちょっと食べるものを買って、クルマを運転している彼はバドワイザーを買い、それを紙の袋に入れて運転しながら飲んでいました。そういう飲み方が、そもそもアメリカの映画で出てくるワンシーンの様でした。

時間は夕焼けになる前で、街全体がやわらかい光になっていて、ダイヤモンドヘッド方向からワイキキに戻って来るとき、自分の左側には海が広がり、右側には島の街の様子が広がります。

「ああ今日も一日終わった」みたいな感じで、ほど良い疲れと充実感に満たされた心の中に、カーステレオから聞こえてきたのがこのアンダー・ザ・ブリッジです。

「パートナーがいない様な気がする。自分のただひとり友だちは、自分が棲む街の様な気がする。エンジェルの街。寂しさににまかせて共に泣く…。」

その瞬間のそのときのわたしの気持ちはとても特別なものでした。その気持ちは「他に必要なものが無い」みたいな感覚が一番言葉にすると近いかも知れません。

最近、フジロックにレッド・ホット・チリ・ペッパーズが来ることになって、ジェームズ・コーデンのザ・レイト・レイト・ショーのカープール・カラオケでゲストになっていたこともあって、彼らの存在を久しぶりに思い出したら、あのワイキキに向かったクルマの中での完璧な瞬間も同時に思い出しました。

わたしたちにはみんな、完璧な瞬間というのが心の中にフリーズ・フレームされているのかなと思います。

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