夏の終わり|秋の始まり

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畑に行くまでの道程がドライブ気分でとてもいい季節になったなと思う今日この頃です。田んぼの中を通って来ると、この間まで緑だった水田が稲穂を付けて金色に変わりつつあります。

自然農法を目指すわたしたちの畑。雑草をあまり取らないでいようとしているのですが、肝心な綿の木に陽が当たらないのでは困ります。雑草を抜いて、やがては肥料になってくれる様にと、畑の土の上に置いておきます。

綿の花はわたしの好きなフヨウ属で、その微妙に天女の羽衣を思わせる質感が畑仕事の労をねぎらってくれるかの様です。

綿の畑の端で収穫出来る野菜を植えています。ショウガがだんだん育ってきて、驚くほどいい香りをさせています。草取りのときに他の雑草と一緒に引っ張ってしまって二本ほど、まだ育ちきっていないショウガを抜いてしまいました。雑草取りはそれなりに技が必要でした。

いつも畑のやり方を教えてくれるAさんが、ワケギの球根を分けてくれました。さっそく、わたしたちの畑に植えてみました。

Aさんは、種蒔きをするときに天気予報を見て雨が降りがちな時期を選んで実行するとか、ワケギにはワケギの植え方、ダイコンにはダイコンの植え方があってと教えてくれます。「いろいろ試してみたいけど、間に合わないんだよ」と笑っていました。一生勉強し続ける事なのですね。

作物を植えることについて必要となる膨大な知識の量。土の質を変えてあげるために掛ける手間暇。わたしの先生のAさんが注いだ努力を全部時間に換算したら何年になるのでしょう。または牛糞堆肥に換算したらトラック何台分になるのでしょうか。

わたしはどちらかというと風来坊です。土地に根を降ろして仕事をしたり農作物を作ったりする人たちのお世話になって生きてきたタイプの人間です。新しい地球との付き合い方に驚きワクワクしてしまいます。

Aさんは、そんなわたしに実が割れてしまったイチジクをひとつくれました。わたしたちの畑ですぐに食べました。まだ若いイチジクの木だったせいか、とても爽やかな甘みがしました。

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