Hello Mother with Dementia

フィリピンから戻って、母の暮らしぶりが、何か違ってしまったことは、家の中に入ってすぐにわかりました。カーテンレールにカーテンが下がっているのにおかしな具合に画鋲で止めてあったからです。

当時、わたしの友人が何人か、母に年賀状を送ってくれていました。子供が生まれた報告や、家族写真の年賀状もたくさんありました。人が写っている年賀状を何枚もテーブルや床において、口の場所に、ご飯粒を数粒置くのでした。そして、「この子、本当におとなしくて何にも言わないの。」とか、「ニコニコして、かわいいのよ。」と言うのでした。かなり後でわかったのですが、認知症 の患者は想像の世界と現実が混ざって存在する状態があるのでした。

母は何度か外へ出かけていきましたが、毎回カーデガンを上下さかさまにして着て出かけていきました。帰ってくると、玄関で靴を脱ぎ、片方だけごみ箱の中にいれました。翌日とか、次に出かけるときに靴が見つからないというので、「昨日ごみ箱に入れてたよ」と言っ て、出してあげると「お母さんね、最近、分からなくなっちゃうの。」とあきらめたように言い始めました。

母の行動には迷いがないように見えるし、正気の時 とおかしい時があるので、初めは母に何が起きているのか、分かりませんでした。数日のことでしたが、見守るしかできませんでした。あれはあれでよかったのか。それとも、もっと声をかけてあげればよかったのか。

    親の介護には いつも、してしまったこと、してあげなかったことに悔いが残るモノではないでしょうか。
    You would always regret what you did or didn’t when caring for ageing parents.

わたしたちは仲のいい親子ではありませんでしたが、仲のいい親子であっても、悔いは残るのだそうです。フィリピン人の友人が、レイテ島からマニラに病気のお母様をベッドで移動させようとして断念した話をしてくれました。涙ながらに話してくれましたが、わたしが聞いた話では、友人は兄妹で力を合わせてお母様を助けていて、最後にマニラに移動できなかったことで、お母様ご本人も、兄弟の誰かも腹を立ててはいないのです。彼女の悔いなのです。

ご家族の介護で苦労している方は、後悔で心を消耗させないでください。

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