I See You,You See Me

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記憶というのは不思議なものです。ずっと忘れて生活しているのに、あるきっかけで思い出がどんどん出て来ます。脳は忘れないんだそうですが、本当なのだなと思います。

時間が経ってから思い出したことは自分の今との違いをはっきり見せてくれるので、これから自分の向かっていく方向が垣間見られる様なこともあります。

わたしたちの頃には洋楽ブームというのがありまして、ベストヒットUSAという小林克也さんがホストしていた番組で海外のチャートインした音楽のミュージックビデオが見られました。

そこに来日したミュージシャンゲストが登場すると、小林克也さんは通訳無しでインタビューするんです。その声も、発音も良いのですが、ご本人は海外で勉強したのではなく独学だったそうです。その番組の中で知った「ダリルホール&ジョンオーツ」。当時、チャートインしていた曲は「プライベートアイズ」。

ハンサムと言えなくもない人と普通の人が、フィッシュアイのようなレンズの向こう側でスーツを着て、ただ歌うだけのミュージックビデオでした。なんだかハートに響く歌詞で、歌いたくなっちゃうし手も一緒に叩きたくなっちゃうんですけど、細かいところで違和感を感じる、この微妙なズレ感は、今ミュージックビデオを見ても感じます。

この曲で歌われている女の人は、どんなに素敵なのだろうか。金髪で背がそんなに高くなくて、目が大きくて、カワイイ声をしているんだろう、なんて想像したものでした。

お小遣いを貯めて日本武道館のコンサートにも行きました。好きか嫌いか問われたら好きの方で、しかも大好きな方なんですが、微妙についてまわるこの違和感というかズレ感を無理やり言葉にするならば…。

〝恋はハートでするものだけど、愛はクールな頭でするもの〟みたいな感じかも知れません。

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Lost in Translation: 英語になりにくい日本語表現たち

母国語以外で話をしていると、必ず「うまく置き換わらない表現」に出会います。
英訳しても意味が通じなかったり、文化的な背景を知らないと誤解されてしまったりします。
今日は、そんな日本語をいくつか紹介します。

介護帰国から始まったわたしの通訳ジャーニー

セブ島でスキューバダイビングショップの店長だったわたし。その時は、のちに日本に帰国することになるとは思いませんでした。さらにキャリア転換をして、英語通訳になるなんて夢にも思っていませんでした。きっかけは、アブサヤフのシパ