Progress in Medicine

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母は、最初にグループホームに入りました。そのグループホームが手配してくれた母の年に一度の健康診断の結果を聞きに個人病院に行ったときのことです。痴呆が進んだら「今後、どういうケアをするのか、家族で考えるように」アドバイスをされました。

「例えばベッドから落ちて骨が折れたときは、痛みがあるので病院に連れて行って処置をすることは人道的に必要です。しかし今後、あなたのお母さんに病気が分かった時、人道的以上な治療をしますか。」具体的にどういうことかわからないからわかるように説明してくださいと頼んだら、「経済的な負担もあなたの人生もあると思うので、深刻になる前に、できるだけたくさんのご家族、ご親戚と話したらいいと思います。あなたのお母さんは、やがて口から食事がとれなくなり、胃瘻で栄養を取るようになっていくわけだが、胃瘻をするかどうか。どこまでお母さんの面倒を見てあげるか、いつまで生かし続けるか、という決断です。」

精神的にショックを受けて、弟の家に電話して、その足で家に向かいました。電車一駅分の距離ですが、頭が混乱していたので、人中にはいたくなくて、歩いて向かいました。そして雨が降り始めて、傘をさしていても履いていたジーンズが膝の上までビショビショにぬれました。弟と話して、消極的なケアをしていくということで同意しました。その時、わたしは自分が殺人に加担したような思いがありました。

    なぜこんなことを書くのかというと、医療はあれからまた発展したらしい、喜ばしいと思ったからです。
    Why am I writing this? Because it appears to me that the medicine has made considerable progress since then and that is the good news.

この世の中は、完璧なことなんかありません。いろいろなことが昔より今は進んでいるし、その今はやがて、昔になってしまいます。10年、20年の間には、たくさんのことが変わります。例えば、母が脳梗塞になったころ、2000年ごろは脳梗塞という英語を辞書で引くと“cerebral infarction”と出ていました。脳卒中は“stoke”でした。今の辞書は脳梗塞を引くと“stroke”も出てきます。その理由は辞書に書いてありますので、ここでは書きませんが、これも医学が進み、国際化が進んで語学が進んだ証拠ではないでしょうか。ダイビングでは、かつて減圧症という圧力の障害も1種類だけでしたが、それも2種類に分かれるようになりました。

あの日、あの個人病院の先生は、なぜあんな説明をする気になったのか、今でもわかりません。当時は、人は寝たきりになっても、20年、30年生きる続けるというのが医学の常識だったのでしょう。あれは老人医療の一時の「はやり」だったのでしょうか。それにしてもキッツイ「勉強」でした。


    なぜこんなことを書くのかというと、医療はあれからまた発展したらしい、喜ばしいと思ったからです。
    Why am I writing this? Because it appears to me that the medicine has made considerable progress since then and that is the good news.

ビジネスのセミナーなど、講師にはスクリプトのテンプレートがあって、それにそってプレゼンテーションが行われます。

Why am I doing this?

これは動機づけのフレーズの頭出しに使われます。

“What’s in it for me?”も同じような目的で使われます。“Why”は“Because”で受けます。

“It appears to me”は「~のように思われる」と訳されます。

“It occurs to me”も似た感じで使えますが、直観的な表現になります。その場合は“It hit me”も使えます。  

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逐次通訳では、ノートテイキングが訳出を左右します。 端的に言って手元に文字起こしとか、原稿に近いものがあれば、それを読めば正確に訳出できるのです。一つひとつの言葉、数字、そしてニュアンスを話すスピードに合わせて書き留めるのは、匠の技です。今日は速記と抽象画のあいだのような芸術の話をしようと思います。