Throwback Thursday

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フェイスブック等では、木曜日は“Throwback Thursday” TBTの日で、昔の写真をアップロードする人がたくさんいます。

わたしは数年前に、やましたひでこさんに影響を受けた漫画家が描いた「断捨離」に関する本を読んで、自分の古い写真は一部を除いてほとんど全部捨ててしまったんです。なので、スローバック・サーズデーの日にむかしの話をしたくても載せる写真がありません。

こころの整理が出来ていないうちに断捨離をしても、あんまり意味がありませんでした…。

昨年、タイムマガジンの「世界で最も影響を与えた100人」の中に近藤麻理恵さん、こんまりさんが片づけ法で選ばれていました。こんまりさんがモノを捨てる前に「ありがとう」とちゃんとお別れをするように言っていましたが、こんまりさん、素敵なアドバイスをありがとう。

さて、わたしは1994年の7月7日にフィリピン旅立ちました。それが最初の移住です。そしてわたしを産んだ母に向かって、わたしから突き付けた絶縁状を実行した日でもありました。

国と国の間に海が有るというのは素晴らしいことです。自分が生まれた家のこと。先祖のこと。育ってきた環境や、しがらみのことを忘れて自分の人生を新規に試すことが出来ます。そして、それからしばらくダイビングのインストラクターとして素晴らしい年月を過ごしてきました。

ただ、行きの飛行機の中では、隣に座ったオーラが凄く汚れたオジサンから「アナタがフィリピンに仕事に行くということはフィリピン人から仕事を奪うということだ」という演説をされたことをすごくよく覚えています。

あのオーラの汚れた感じは、日本には別に家庭が有ってフィリピンに現地妻か、そんな様な存在の人がいて、自分でもよくないと分かっていながら、その関係を続けている人のオーラでした。

パっと聞いたところ、正しそうなことを言っている人は、その人だけでなく会社にもいます。家の中にもいます。近所にもいます。友だちの中にもいます。

あの日、フィリピン・エアラインの成田からセブに向かう飛行機の中で隣に座ったオジサンは、そういう人の見せかけの正義のヒーローのシンボルとして、わたしのこころの中に強烈な印象を残しました。

何を言ってもオーラが汚れていたら信憑性がありません。オーラは自分がキレイに生きていたらキレイなものです。不愉快な勉強だったけど…最初の移住で、飛行機の中でそんな人に会ったこと。運命がくれた反面教師だったとしか思えません。懐かしい思い出です。

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