True Colours(本当の姿)

Date

今日はシンディ・ローパー、1986年のヒット曲です。

オアフ島のダイブショップでダイブマスター、インストラクターになりましたので、当時の時代も反映して、自分がお客さんを盛り上げて、真っ先におかしなポーズとって写真を撮影するみたいなことが自分の役目で、得意なのだと思っていました。

それは結局違ったんです。

わたしのセブのダイブインストラクター生活は日本人店長が暮らす家に住み込みとして始まったのでした。

今でもセブの海岸にはリゾートが立ち並び、ダイブショップはそれぞれリゾートと契約して間借りして経営します。わたしが最初に仕事を得たショップも同じで、当時、ホテルはドイツ人がマネージしていました。

当然ながらホテル経営を専攻した人でしたが、そんな学科があるとか、スイスにはいい学校がたくさんあるので有名とか、だからフィリピンのホテルマネージャーはドイツ語圏の人が多い(当時)とか、その時まで知りませんでした。

彼が自分の仲良し、マンフレッドを、ある日わたしに紹介してくれました。そのあと数か月たって、結局マンフレッドのお店に移りました。

コンティキダイバーズです。今でもあります。お客さんもわたしの入社当初はほとんどがドイツ人でした。当時から「玄人好み」な店でした。日本ではダイビングは若者だけとか、夏だけとか、南国だけのスポーツとして認識されていました。ヨーロッパは、そういうことにとらわれていませんでした。わたしが無理に盛り上げなくても純粋にセブの空気、セブの太陽、セブの潮風、セブの海、セブの水中生物を楽しんでいるバックパッカーや、カップルが多かったのでした。

リロアンと言うところでカンフー道場を経営するスイス人のステファンは、自分の道場の生徒を連れて週末来たりしました。

カンフーや空手をするヨーロッパ人が日本人、日本文化、日本食を嫌いなわけないですね。

結局、コンティキダイバーズでわたしは生まれ変わったんです。自分が思っていた自分は、その後開花する(あはは)自分のほんの一部でしかなかったのでした。

今になって、自分のTrue colors(本当の姿)は、時として、自分や家族が一番見たくないところにあるのかもしれません、と思うのですよ。

More
articles

Work, Walk, Law, Low——わたし達の一音

発音の正確さは、通訳・翻訳の「見えない信頼」を支える技術です。AIのパイオニア、Babak Hodjat 氏のもとで働く世界トップクラスのエンジニアたちは、文脈や異なる言語体系(!)で互いを理解しています。わたしたちは通訳。一音の精度を上げ誤解を生まないよう、日々訓練を重ねています。

空のように、私のノートの取り方もかたちを変えていく。それでいいのです。

逐次通訳のためのノートテイキング

逐次通訳では、ノートテイキングが訳出を左右します。 端的に言って手元に文字起こしとか、原稿に近いものがあれば、それを読めば正確に訳出できるのです。一つひとつの言葉、数字、そしてニュアンスを話すスピードに合わせて書き留めるのは、匠の技です。今日は速記と抽象画のあいだのような芸術の話をしようと思います。

優秀な通訳、溝をつないで次のステージへ

優秀な通訳チームはどこにいる?

P社というフィンテック企業で働いていた頃のことを、しばしば思い出します。 数ある通訳の現場の中でも、あの時期が特別だったのは、「優秀なチーム」を全員が作っていたからです。では、どうやって?