フィリピンから帰国後、縁あって静岡に居を得たわたしは、必然と静岡産のお茶に一段と親しむことに。深入り茶からやんわりと出る、やわらかな甘さを舌の味蕾(みらい)が選り分けるほどに上達中。
よりおいしい茶葉を求め、好みの入れ方も研究すると、食後のティータイムもいっそう楽しめるわけ。熱湯を愛用の鉄瓶に移し、お湯呑に入れ替え道具全体を温める。少し待って鉄瓶に湯を戻すこと二回。夏場は三、四回と繰り返し温度を下げることも。加減を見計らって鉄瓶に茶葉を投入し待つこと百秒。茶越しをお湯呑にかけ、茶瓶の中で膨らんだ茶を揺らしつつ再びお湯呑へ。注ぐ湯気からほんのりと茶の渋みが伝わるまで戻しを繰り返す。
そうして調整したお茶の風味は絶妙で上等なのです。食後の一服。これも、今では大切な服用のひとつかな。