長く暮らしたフィリピンから帰国して、脳梗塞になった母から、「お願いが二つある。ケアマネージャーさんと話してもらいたい。脳外科の先生のところに一緒に行って話を聞いてもらいたい。」といわれました。
ケアマネージャーとは、介護や支援を必要とする人が介護保険制度を利用して自立した生活を送れるようサポートする仕事です。
ケアマネさんに電話をして、いろいろな説明を聞いたような気がしますが、今でも覚えているのは一言「お母さんはご近所からは身寄りのないおばあちゃんと思われているようです」と言われたことでした。ケアマネーさんからは、週末だけでいいので、母のところへ食後に薬を飲ませるため通ってほしいといわれました。
スープの冷めない距離に引越したはずでしたが、これが大仕事でした。
時間通りにご飯を支度していても、食べるのに時間がかかって遅い。
テレビに気を取られて箸が口に行かない。
子供の写った写真にご飯を配っている方が時間がかかる。
それをいらいらと待って、薬を飲ませてやっと帰って一息つくと、夕食の薬の時間になります。まだ自転車を持っていなかった時には、歩いて通いました。雨の週末には、わたしは呪われているのだと思いました。パラレルワールドを想像した時でもありました。
パラレルワールド
ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界を指す。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいう。
ウィキペディア
本当のわたしはホットで、クールなセブでダイビングインストラクターの仕事をしているはずなので、今わたしの目の前に起きていることは本当は夢なのだ、みたいな。もしくは、もう一人のわたしがフィリピンでダイビングのインストラクターの仕事をしているのを、肌で感じるような気分でした。
- あの時を思い出すと、どうしても辛口になってしまいます。
I cannot help but be sarcastic every time I think back then.
今の脳外科医は、老人医療も少しは勉強するようになったのでしょうか。
母が信頼していた脳外科医は「今日は娘さんもいらしているので」と言って、診察室に看護師を何人も呼びました。わたしの母が、その先生に言ったこと、した行動を、この時、あの場所であんなこともあった、こんなこともされたと糾弾しました。そして、わたしに向かって判決を下すように「あなたのお母さんは精神異常です。精神異常は使ってはいけない言葉になったので、統合失調症です」と言って締めくくったのでした。
数か月後に判ったのですが、これは脳外科医の誤診だったのでした。
今日のタイトル“To error is human, to forgive divine”は、人は罪を犯し、過ちを犯す、神は人々を許すが、人を許すとき人は神のような行動をとるという意味です。
- あの時を思い出すと、どうしても辛辣になってしまいます。
I cannot help but be sarcastic every time I think back then.
~しないわけにいかないときは“I can’t help but (動詞原型)~”が便利に使えます。
辛口の冗談は“dry sense of humor”
“sarcasm”は、皮肉です。
昨年フランスで襲撃事件が起きたシャーリー・エブド(Charlie Hedbo)は、satire(風刺)の週刊誌です。