Ailing Mother and Struggling Daughter

前回、母の介護認定のことに触れました。無事に希望通りの認定をいただきまして、母は立川市に新しくできたグループホームに入所しました。グループホームに持っていけるものを選んで、残った家財道具や、衣類はすべて捨てました。

ご両親の持ち物を片付けるときは、できればご友人に手伝ってもらってください。お勧めします。全員がそうではないのでしょうが、わたしの親の持ち物は、自分の成長のアーカイブ(記録保管室)みたいに見えました。心にズキッとささりました。愛が深くて、溺れてしまいました。

中学の時にクラブ活動で地区大会の試合に持って行ったスポーツタオル。
鏡台の前に飾っていたカワイイものたち。
捨てたはずのわたしの宝物が、タイムカプセルを開けたように、あの頃のままの姿で出てくること、出てくること。

茶箪笥・テーブル・本棚・こたつなどなどなど、不燃物の引き取りを市役所に電話で申し込みました。
「一軒分の家財道具のようですがどうしてですか」と聞かれて、母が若年性痴呆で施設に入るからと話すうちに涙声になります。

不燃物の引き取りを翌日に控えて、仕事の後、夜も10時を過ぎてタクシーで母の家に行き、待ってもらって、荷物を出して、自宅に帰ります。

「ずいぶんたくさん処分するんですね、どうしたんですか」と聞かれて、母が若年性痴呆で施設に入るからと話すうちにまた涙が流れます。

    世の中は優しい人があふれていました。
    The world is full of nice people.

しかしですね、ここで悲劇のヒロインになってしまってはいけなかったのでした。わたしの家の場合は、弟のものは母のアーカイブに無かったのでした。母の頭の中にできていた、私たち姉弟の役割分担がここで垣間見られたはずなのに、冷静さを失って見えませんでした。

1日だけ悲劇のヒロインとか、3日だけ悲劇のヒロインはオーケーだと思います。物事は始まりが大変です。自転車も最初の動き出しに力を使います。始まったばかりの介護生活で、いろいろな変化が辛いのはその通りです。でも最初に自分に悲劇のヒロインになることを許してしまったら、それは自分が誰かの犠牲になることを自分に許したことになってしまいます。介護は10年間の単位で続くのです。Be cool. クールに行きましょう。


今日のタイトルは、ailのing形を母で受けて、病気を患う母と、struggleのing形を娘で受けて、何とかしようとする娘。英語にはこういう対比の表現がよく表れます。これが使えると、会話にリズムができて楽しくなります。Up the mountain, down the valleyとかですね。

    世の中は優しい人があふれていました。
    The world is full of nice people.

自分がいつもと違うことをしているときに、こういう感想を持ちませんか? 世の中は、自分のために生きるところだなと思うのです。

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